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うんちく 第６幕 釣りは想像の世界
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2003年12月 記 釣り好きな私に、一般人はこう聞いてくる。「釣りをしているときは何を考えているのだ？」と。「何も考えず、ただ、ただ、魚のアタリを待つのみ。無心なのさ」と言いたいところだが、全然そうじゃない。実は、色々なことが頭を駆けめぐっている。 釣り好きと言うよりも、既に○○（キチとも言うがバカとも言う）に到達してしまっている私の場合は、その日の釣りが終わった時点から釣りのことを考えている。先ずは、今日の釣りについて思い返す。「あのバラシは痛かったなぁ」「あの引きはたまらんかった」「あの時、あの仕掛でこう釣れば良かったなぁ」等々。そうこうしてる内に、だんだん疲れが出てくる。釣をしているときは、腹が減るのも忘れ、疲れも忘れ集中している。だから終わってからは、ﾄﾞ〜ンと腹が減るし、疲れも出てくるのだ。だから、帰宅してから、先ずは仮眠を取るのが常だ。仮眠といっても３時間くらいは寝てしまうのだが・・・。 その日はそれで終わってしまうが、次の日になるとまたまた釣り熱が出てきてしまうのだ。先ず始めるのは、来週の天気予報のチェックだが、週間予報なので、これは気休めにしかならない。それから、潮時を確認する。陸っぱりの場合、これで夜にするか昼にするかの釣行が決まる。季節によってはターゲットと場所まで想像が駆けめぐる。使用する釣り道具も全て頭に浮かんでくる。週末までは、毎日天候のチェックを怠らない。 木曜日の夜になると、次の日の天候がカギになる。もしも、土曜日に天候が崩れるとなると、楽しい釣りが出来ないのだ。日曜日は次の日が仕事だし、流石に体を休めたいし・・・。 だから、天候によっては金曜日の夜からということもしばしばである。 ここからは、メバリングについての記述になります。さあ、いざ出撃。この時には勿論、行く場所も決まっていればターゲットも決まっている。車を運転しながら、既にイメージが膨らみ、もう自分は釣りを開始している気分だ。スポーツの世界でイメージトレーニングという言葉が良く使われるが、この時は、もうトレーニングと言うよりも魚を釣っちゃっているのだ（ちょっと大げさだな）。 現地に到着後、早速準備に取りかかる訳だが、この時が一番気合いが入る。場合によっては緊張さえすることもあるかな？状況が良ければそれは尚更だ。心の中で「よ〜し、やったるで〜！」と叫んでいるのだ。言葉に出すのも良いのだが、あえて冷静さを失わないように振る舞うのだ。準備を終え、ポイントに立つ。ここでの心境は、まさに鷹のように鋭さを研ぎ澄ませる（カッコ良すぎじゃ）。 さあ、一投目。ここからは、魚との対話になる。メバリングの場合は、概ね空は真っ暗。海中も見える訳がない。だから想像力をフルに使っている自分がそこには居るのだ。「ヤツは絶対そこに居るはずだ。さあ、出て来い。出て来ないんだったら、ほれほれ、動く物がそこに泳いでいるぞ。さあ、食いなさい！」。そんな会話で誘いを掛けているときにアタリが来ると、この瞬間が何とも言えない感覚になる。ホッとするというか、”しめた！”というか。 ここからが、魚との駆け引きだ。何度も書いていることだが、メバルはアタリがあっても早合わせは禁物だ。待っていると確実に食ってくる。だから、餌を食わせるまでのタイミングが肝心（イソメリグの場合ね。ルアーだったらこの時間は遙かに短い）。この瞬間は、まさにメバルになった気分で、海中のメバルの姿を頭に描いている。餌を見つける。すす〜っと寄ってきて、餌を突く。ちょこちょこと引っ張りながら食っていく。そして、鈎まで届く。そして・・・・。 想像の世界はまだ続く。アワセを入れ、フッキングの瞬間から、魚の暴れる姿が想像の世界で繰り広げられる。そして、魚の姿が現れたとき、急激に現実の世界へ飛び出す。魚の姿を目の前にして、初めて想像の世界から解き放たれる。 その点、エギングにも非常に面白い想像の世界が有る。キャスト後、餌木の沈下を待つ。私の場合は、沈下後、若しくは沈下途中にハリスに微妙なテンションを掛けて聞き合わせをする。イカが抱き付けば、それなりの反応が伝わってくる。グイグイ引っ張ってくるか、抱き付いてじっとするか。その時点でも想像の世界だ。「来た来た、イカが確かに抱き付いている。さあ、もっと抱き付け〜」。その時のイカの姿の映像が私の頭の中に映し出されている。その後は、メバリングと同様の世界。 こう考えると、釣りって釣った魚の姿を見るまでは、殆どが想像の世界ですね。「魚のアタリを待つのみ。無心なのさ」と言う言葉は、全く当てはまらないということですね。 今度からは、こう答える。 「ほとんど想像の世界に浸っています。海の中、魚の姿を想像しているのさ」 今回は、釣りをしているときの自分を客観的に見てみたのだ。多分、皆さんもそんな感じじゃないかな？ あれやこれやと想像を巡らせている自分がそこに居るはず・・・。 釣りは、想像の世界なのさ ※以上の”うんちく”は、あくまでも私の感覚的なものです。異論反論は一切受け付け兼ねます。ご了承下され。 |