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うんちく 第４幕 北海道の釣りと内地の釣り
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2003年11月 記 何度も書いていることですが、私の地元は北海道です。しかし、大学時代から内地に住み続けています。北海道にいる頃は、自分の釣行エリア、魚種、場所も決まったものがありました。ところが、内地に引っ越してからは、これらが全く無になってしまったおかげで、しばらくの間、釣りから遠ざかってしまいました。 釣りをしてみたいが、今一踏み切れない状態が長い間続きました。使う道具も違えば、狙う魚も違う、スタイルも違う。違うことだらけで戸惑っていたのです。それをやっと打破できたのは、やはり社内の友人でした。こちらの釣りを熟知している連中との出会いでした。とにかく、色々なことが新しい物に見えましたし、何しろ新鮮味が有った。それからというもの、毎週毎週釣り三昧な生活が始まったのです。 こちらで覚えた釣りのスタイルは、勿論北海道でも応用が利きます。それだけに釣りの文化は、内地の方が優れていると、我ながらに思うところがあります。そんな、北の釣りと内地の釣りを経験した者として、その違いについて大いに語りたくなり、うんちくを書いてみたくなりました。 主に投げ釣りについて書いてみたいと思います。 先ずは、北海道の釣りについて。とにかく、投げ釣りが盛んなところで、釣れる魚も大型が多いです。その代わり、釣れる魚種は少ないです。主なターゲットは、カレイ、アイナメ（地方名：アブラコ）、カジカ、マルタ（地方名：アカハラ）。こんなところでしょうか。しかし、型が良く、４０ｃｍ級が釣れてきます。５０ｃｍ級が来ても珍しいことではありません。こちらで盛んなキス釣りなどのような遠投も繊細さもそれほど必要ではないので、ラインはナイロンの太いものを使用する場合が多いです。 何しろ釣れてくる魚は全て元気が良い。というか、彼らは餌が乏しい冬の期間が長いため、ちょっとでも暖かくなったらどん欲なほどに餌を食いまくります。ですから、魚さえ居れば釣れてしまうと いうことです。内地のように仕掛や餌などに工夫を凝らして繊細な当たりを取りながら釣るというスタイルは通用しません。当たりが有ったら、速合わせしないと針ごと飲まれてしまいます。カレイなんかは、でかい針にまさかと思われるほど小さいものまで釣れてしまいます。釣具屋さんへ行くと解りますが、こちらで売っている仕掛よりも針のサイズは断然大きいです。 一方、ルアー関係はどうかというと、こっちの方は、内地のように盛んではありません。どちらかというとハードルアーよりもソフトルアー、つまりワームの方が主流です。また、ここ２，３年になって、やっとエギングが 広まってきた程度です。 そうそう、後は魚の旨さですが、海水温が低いので全体的に脂が乗っていて旨いです。特にカジカ類は、鍋を箸で突きすぎて壊してしまうほど旨いと言うことで”鍋壊し”とまで言われるほどです。ゼラチン質が豊富で鍋料理やあら汁にすると絶品です。 そして、内地の釣り。とにかく、竿から仕掛まで北海道とは全然違います。まず、私が内地に来てから初めて使った仕掛として、強烈に記憶に残っているのは天秤です。北海道の釣り場は、全体的に根掛かりが多いため、ほとんど胴付き仕掛です。「天秤？何だこれ？どうやって使うの？」ってな具合でした。なるほど、使って解ります。根掛かりがほとんど無い場所が多い。勿論、そんなところばかりではありませんが。 狙う魚ですが、あまりにも有名なのはキスです。砂地の海岸から、目一杯遠投！そして、竿を持ちながらゆっくりさびいて釣る。こんな釣りは、はっきり言って初めて見ました。こんな釣りですから、ラインは細く、竿も持ち重りしないものを使っています。 初めて新素材なるＰＥラインを使ったのも内地の釣りでした。ナイロンとは比べものにならないくらい高価なものですが、とにかく細くて丈夫。使ってみたら、これまたビックッリでした。何ともスムーズに仕掛が飛ぶ飛ぶ！実際、本格的な投げ方を知らないので、さほど飛んではいませんが、ナイロンの３号とか４号なんかとは格段に飛びが違う。正にカルチャーショックでした。 それから、内地の釣りで外すことの出来ないルアー、エギング。これも、また私としては初体験の釣りでした。あんなにでかい魚（スズキ）がルアーで釣れるなんてもうビックリ仰天です。初めて釣れたときは、体が震えたほどです。内地での釣りで最も衝撃的な釣りでした。エギングもそうです。陸っぱりから、エビみたいな 形をした餌木でイカが釣れるなんて思ってもみなかった。それに、色々な種類のイカが意外や意外、かなり岸近くまで寄って来ること自体信じられませんでした。 何れにしても、北海道の釣りと内地の釣りで最も違うところは、何と言っても釣りが出来る期間の長さでしょうか。内地では年中釣りが出来ます。北海道でも真冬に出来ないわけではありませんが、かなり厳しい。ゆっくり出来てもワカサギ釣りくらいです。 短い期間で大漁するか、長い期間でコンスタントに釣るか。なかなか判定は難しい。でも、その地方地方の釣り文化や釣りものを追い求めるのは何処へ行っても同じです。この世に釣りがある限り、予想もしない文化が有り、予想もしない魚が釣れることでしょう。 海に囲まれた島国日本の釣り文化は、世界に誇れる文化でしょう。その土地土地の釣りの文化をもっともっと知りたい。釣り人生はまだまだこれから・・・・。 ※以上の”うんちく”は、あくまでも私の感覚的なものです。異論反論は一切受け付け兼ねます。ご了承下され。 |