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うんちく 第７幕 釣りの方程式
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2004年9月 記 釣りは、魚を知ることから始まる。これは、私が常日頃、心に秘めている言葉だ。人より多く釣るには、卓越した技術も重要な要素だが、魚の習性を知らないで技術だけ駆使しても魚は釣れない。立派な道具を揃えても釣れないのだ。何と言っても魚を知らないと釣れないのだ。 魚を知るということは、意外と簡単なようで難しい。ちょっと考えただけでも、分布域、時期、生息場所、水深、水温、食性・・・・。色々な要素が絡み合ってくる。 私が房総で釣りを本格的に始めて間もなくのときは、あてもなく釣りに行っていたような気がする。とにかく青イソメを付けて投げていた。若しくはサビキ仕掛を垂らしていた。偶然に魚は釣れてくることもある。その時は嬉しいものだった。しかし、そんな釣りを続けているとスランプが必ずややって来るものだ。それに”爆釣”と言えるほどの釣果はほとんど無かったように思う。これこそ魚を知らないということだったのだ。 スランプから抜け出すために、色々な雑誌を買ってきて、いつ？どこで？なにが？釣れるのかを調べる。しかし、やはり爆釣とまでは行かないのだ。そう、情報だけに振り回されている釣り人。それが私だったのでした・・・・。いつ？どこで？なにが？という謎は解けたとしても、どうも上手く行かない。悩める釣り人・・・・。 そんなスランプから解消され始めたのは、２年後くらいでしょうか？釣行回数を重ねる毎に、魚というもの、房総という釣り場の謎がだんだん解けてきた。勿論、雑誌からの情報も身にはなっていたが、自分で初めて釣る魚が増えてきたのだ。知らず知らずのうちに色々な場所を釣り歩き、色々な魚が釣れるようになってきたのだ。 そう言えばあの時、こんな場所で、あんな時期に、こんな状況の中で、これを釣ったなぁ。そんな記憶がどんどん折り重なり、知らず知らずの内に学習していたんです。とにかく、諦めずに釣りに行き続け、色々な魚との対話が有った。そして未開の釣りにも挑んだ。失敗は数知れず・・・。でも、粘った。 釣り馬鹿と言われる人間は、これでは諦めがつかなくなるもので、更に大物、更に数を〜！ってな具合でどんどんエスカレートしていくものです。執念とでも言いましょうか？狩猟本能とでも言いましょうか？ 当初は１５ｃｍでもデカイと思っていたメバル。４０ｃｍでもデカイと思っていたシーバス。小アジ２０匹でも大漁だった。それを思うと、自分で言うのも何だけど、今では夢のような釣果を得ている。それは何でだろうかと振り返ってみたとき、やっぱり魚との対話、自然との対話の積み重ねが有ったからだ。奴等は、この時期、この場所で・・・・。そんな方程式が最近やっと出来上がったような気がする。 それに、最近になって自分の予想が当たるようになってきたのも事実。絶対ここに奴等は居る！と、竿を出せばビンゴ〜！ということが去年から連発。これがまた、たまらなく嬉しい！ますます彼らを追い求める日々がエスカレート！でも、水温による魚の移動とかは未だ謎。水温を測って、ここは無理だ、止めとこう。なんてことは、まだまだ未熟者である。風向きが悪いとか、そういう問題は、何と言っても地元の人達が詳しい。地元の釣り人から話を聞くことは重要ですね。でも、それが全て正解とも言えない。う〜む、難しい・・・・。 現在の私の方程式は、確実性がアップしただけで、正確な方程式ではない。何しろ自然相手、魚相手なのだから。でも、自然の中で多くの時間を過ごすことで、ますます確実性はアップしていくことだけは確かかな？と思っていますが。ですから、方程式と言うよりも確率の問題でしょうね？ 今の状況がこれで十分とは思えない。更に目指すものも有るから、これまたどうしようもない。もしも房総から離れてしまうことがあったら、それもまた最初からその地域の魚と対話しなければならないし・・・・。釣りって面白いけれど、先が見えない洞窟のようなものなんですね？でも、冒険心旺盛な私としては、これがまたこの上なく面白いのです。 しかしまあ、例年方程式のズレがあることは否めない事実です。今年なんか、海水温の状況を見ていたら、全く予想できません。時には３０℃近くなったり、一気に２℃も下がったりと、魚も大変だろうに！北海道でソーダガツオが１５年ぶりに釣れたとか、アオリイカが釣れたとか・・・・。何だか予想不可能です。ちょっと変です・・・。 ”永遠のテーマ”という言葉を良く耳にしますが、こうして考えてみると、私にとっては”釣りが永遠のテーマ”だ。まあ、他にも永遠のテーマは有るかもしれないけれど、とにかくここでは”釣り”にしておこう。 何にしろ、釣りの方程式を造るのは容易ではないですね？私は、たまたま長年千葉県に住むことが出来ており、週末の時間にも比較的余裕が持てる状況下ですから、その辺がラッキーだと思っている。”運の良さ”これもまた釣り・・・・。結局 のところ、釣りの方程式は”自己満足の世界”としておこう。 ※以上の”うんちく”は、あくまでも私の感覚的なものです。異論反論は一切受け付け兼ねます。ご了承下され。 |